飲食店経営を成功に導く4つのポイント

 
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みなさん、こんにちは。経営資金に悩んだ時に、一番最初に見るサイトを運営している山本です。

今は12月ですが、これから春にかけて毎年、飲食業の創業支援資金や、既存の飲食業を引き継ぎたいという案件がけっこう多くなってくるので、事前に春先に向けてどうしようかと考えている人のために、飲食業の事業を引き継ぐ、もしくは新しく創業する人に対して、お金を借りる際の必要事項をまとめてみました。

 

まず一番大事なことは、事業引き継ぎにせよ創業にせよ、2月オープンがベストなんです。これは商売をしている人はよく承知だと思いますが、「ニッパチ」という言葉があります。2月と8月はお客さんがあまり来ないということですが、その2月と8月に、1周年とか2周年とかの周年をかぶせることで、既存のお客さんにまた来てもらえるキャンペーンを張ることができるため、売り上げの底支えといったメリットがあるんです。そうしたことは美容院などによくあるそうですが、事業を引き継ぐ、飲食業を始めるといった場合、2月、8月にオープン時期を合わせることが非常に大事なことだと思います。

 

それと、必要書類で特に大切なことですが、これには4つのポイントがあります。

このポイントは政策公庫で借りるにしても、銀行で借りるにしても全く一緒で、まず1つ目に「図面」というものがあります。

飲食業では特にこれに気をつけてもらいたいんですが、必ず図面は提出させられます。そんなに詳細なものでなくてもいいし、手書きでも十分ですが、銀行員はこの図面で許認可の関係を見ており、たとえばパブのように女性がカウンター越しの接客をするのはOKでも、隣に座るキャバクラのようなボックスの形ではNGになります。カウンターかボックスかで、どういうお店なのかを見られます。

また、風営法の許可を持っているから大丈夫だと言う人もいて、許可を持っていれば12時をまたいだ営業はできますが、お金を貸す銀行の立場から考えると、公序良俗上の問題を危惧して、ハードルはかなり上がってしまいます。そのために、最初はパブの形式で融資を受けることが大事になります。

政策公庫のほうは、若干そのあたりの決まりがゆるいようです。たとえばキャバクラをやっている人が、今後、店の展開をしていくのに資金が調達できない場合は、何がしかのお力になれるかもしれないので、ご相談いただけたらと思っています。

 

2つ目のポイントは「メニュー」で、これも大事です。

そのメニューを実際に作れるのかというところが大事で、メニューの構成があまりにも多すぎると、オペレーションコスト、つまり1人の料理人あるいは店長がたくさんの商品を作っていることになるので、本当に大丈夫なのかという目で見られてしまいます。保証協会はメニューをあまり見ませんが、事業引き継ぎを検討されている人は、一度メニューを見せてもらって、ムダがないか、絞り込みのできそうな商品はないかといった点を考えてみる必要があります。

銀行員は、たとえばカフェを経営したい人より、カレー屋を経営したい人のほうにはお金を貸しにくいんです。

CoCo壱へ行くとその理由がわかります。今はカレーに対する価値観が多様化しているため、トッピングや辛さの種類をあんなにも多くしないと、今の世の中に対応できないのではないかと思われるんですね。インドで繁盛しているカレー屋をそのまま広島県でやっても通用しません。商材がお客さんの好みに合っていないからなんです。マーケットに合っているか、いないかをよく見ています。それなので、カフェのほうがカレーやサラダなどのいろんな商材を扱えて、いろんな企画もできるので、自分のお客さんの好み、属性を知ることができます。これができれば、なんとかやっていけそうで、実際に創業支援関係で多くの銀行と交渉する中で、そういった話がよく出てきます。

 

3つ目に「内装の見積もり」というポイントがあって、これは全体でどのくらいの資金が必要かという点と、運転資金と設備資金の案配です。

飲食業で500万円の融資の場合、引き継ぐので設備資金はそれほどかからないと言う人も多いですが、そういう人ほど見積もりをもう一度よく見直すべきだと思います。オープンの半年後に不具合が出て、改修のために再度の融資申し込みがあると、資金計画の考え方に疑念を持たれてしまいます。支店長権限の枠があるといっても、なかなか言い訳が難しくなってくるので、なるべく最初の見積もりはできるだけ高めに出すようにと思っています。

 

ポイントの4つ目は「引き継ぎの場合は内容内訳と金額」です。事業を引き継ぐときに、事業譲渡と言って、どこの部分に対して、営業権を引き継ぐのにお金が発生するのかを明確に示しておかねばなりません。銀行には、株を買うから融資をさせてくださいという概念があまりなくて、バランスシートでいう資金の部とやりとりするために、具体的にどこの部分にお金を貸すのかを説明しなければなりませんから、飲食業の株式譲渡はなかなか難しいと言われています。

 

以上、4つのポイントをお話しました。飲食業はサラリーマンが独立して手を出してはいけない業種のひとつだと本にもよく書いてありますが、それでも飲食業で独立したいと思う人はかなりいます。

なぜかと言えば、食は毎日のことなので、エブリバディ・エブリワンのニーズ、マーケットの大きさは安定しているからです。当たれば大もうけでき、3年くらいで回収して、次の店舗、次の店舗という具合に多店舗展開する人が、お客さんの中に何人もいました。このポイントを参考に、一獲千金を目指して頑張ってほしいと思います。弊社もそのお手伝いができればと思っています。

 

次回はM&Aの資金調達についてお話します。

まとめ

飲食店経営を成功に導く4つのポイント

  1. 図面
  2. メニュー
  3. 内装
  4. 譲渡金額とその内訳(引き継ぎの場合)
 
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