現役M&A仲介業者が「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」をレビューしてみた。(1/3)

 
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みなさん、こんにちは。経営資金に悩んだ時に、一番最初に見るサイトを運営している山本将司です。
今までは資金調達全般についての話をしてきましたが、今回はM&Aについてお話したいと思います。

弊社、喜創産業はリテールという、小さな会社のM&Aを業務の中心としています。(*リテールとは年商10億未満の会社)
取引そのものだけではなく、不安や悩みに対してコンサルティングし、豊富な知識と経験でお客様に寄り添って解決していくお仕事です。

最近、話題になった本に「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本がありました。この本に対して多くのレビュー、様々な意見が寄せられていますが、いろいろな会社の仲介をしている弊社から見た内容と、そもそも小さな会社をM&Aするとは、一体どういうことなのか、わかりやすいところから何回かに分けてお話してみます。

レビューではいろいろな人が様々な意見を書かれていますが、これから話すことも私個人の一意見として参考にしていただけたらと思います。

 サラリーマンにはハードルが高い?

『よく読むとそんなに美味い話はないということがわかる。起業しようと考えてる人には、個人でもM&Aが可能ということで選択肢が広がるなど参考になる内容。ただ、他の方も書かれていたが、長く会社勤めをしたサラリーマン(ビジネスマンではない)がチャレンジするにはハードルが高い。中小企業の経営はマーケティングや財務、人事など、幅広い能力だけではなく、熱意、情熱が必要で多くのサラリーマンには難しい選択』

たとえばこんなレビュー、これは半分正解で半分は間違っているかなと思います。結論から言うと、そんなにハードルは高くありません
最近は事業承継資金という融資制度が、政策公庫でも東京都の東京保証協会でも出ているので、ふつうに創業支援で資金を調達するのとハードルは同じくらいで、脱サラして始めるよりも最初から事業を始めるよりもラクなのではないかと考えています。
ですが、思い描いていても実際に実行するのは勇気がいりますよね。ハードルが高いというならばそこの部分でしょうか?

 M&Aは投資ではありません。

『著者の考え方は偏っている。投資のバリエーションとして、株、FX、不動産以外に、M&Aを提起している点は評価したい。ただし大企業で勤めていた人間なら、中小企業なんか簡単に経営できるでしょと著者は考えており、現実との乖離はある。また他のレビュワーも言及されているように、堀江貴文氏を帯に持ってきており、誤った印象を与えるのではと懸念している』

こんなレビューもありました。これも半分正解ですが、違うかなと思う部分もあります。まず、「堀江貴文氏を帯に持ってきており、誤った印象を与えるのではと懸念している」というところは私も同じように思いました。
ですが、「株、FX、不動産以外にM&Aを提起している点は評価したい」とありますが、M&Aは投資ではありませんそのところを、これからお話したいと思います。

 M&Aは企業再生の手段である

サラリーマンと経営者の違いは、すでに何回かお話しました。この本の中にもありますが、サラリーマンも40歳を超えてくると、自分はどのくらいで終わるのか見当がついてきます。そこからチャレンジするなら脱サラしたほうがいいということなりますよね。
これは創業と同じなんです。その手段がM&Aなのか、最初から起業するかなんです。

M&Aとは企業再生の手段なんです。どんな黒字企業でも赤字企業でもそうですが、会社というものを、なぜ譲渡しないといけないのかと言えば、今の社長だと続けられない理由が何かしらあるから、譲渡するということなんですね。

 会社の『領域』と『マーケット』について

会社には存在意義というものがあります。お客さまのニーズというマーケットがあり、それに対し譲渡対象企業、つまりM&Aで売りに出ている会社の「領域」があります。この領域は何をやっている会社なのかということですが、この領域とマーケットが重なる部分が大きいほど黒字になると考えればわかりやすいと思います。

譲渡対象企業が創業する場合は、その企業の領域の中で、この商材が売れると思うから始めるわけです。だから、お客さまのニーズと、対象企業の領域が重なり合っている部分が大きければ大きいほど黒字になっていきますが、逆にニーズと領域が小さければ小さいほど赤字になるので、企業の価値も低くなってしまいます。

 ほんとに300万で売りに出ているの?

実際、300万で売りに出ている会社はけっこうあるんです。弊社も300万くらいの会社をM&Aして、年商1億くらいの会社に仕上げたこともあります。それは、対象企業がその領域をお客さまのニーズへ引っ張ってくるだけの力があったからなんです。

具体的に言うと、物販をやっている対象企業の商材を見たら、他に出せば売れそうだと思い、そこで譲渡後に、アマゾン、ヤフーに出すことで、会社の領域をマーケットへ引っ張っていく。また、サイトで500~1000人ほどの名簿を持っているケースは、そこからどんな属性を持つお客さまなのかもわかることで、お客さまに合わせた商材を仕入れて販売することができます。

そこの部分をサラリーマンが独立する手段のひとつとして、買ってみませんかということなんです。買った後のお手伝いも弊社で引き受けますから、会社の領域をマーケット、お客さまのニーズに合わせて大きく儲けることができます。

 マーケットに合わせにくい業態もある

この本にもありましたが、これが飲食業の場合だと、なかなかやりにくい理由があります。それは飛び道具が使えないことです。弊社は広島県にありますが、広島県のマーケットと、東京都のマーケットは全然違います。実際、先日見たんですが、東京にはソーメン屋さんがあるんですね。東京はソーメン屋が成り立つようなマーケットなんです。広島県でソーメン屋をやっても、まず繁盛しないと思います。

領域とマーケットの重なりが、みんなを食べさせていけるだけの大きさを持っているとは思えません。マーケットに合わせやすい業態の会社を見つけるのも弊社の仕事です。そのうえで譲渡した後、どういうように運営していくのか、経営者としてどう自立していくのかをともに考えることが、弊社のような再生型リテールM&A企業の使命だと私は思っています。

 家に例えると、新築が創業、リフォームがM&A

他にもレビューをいろいろ紹介したいと思いますが、まずM&Aって何なのかっていうことです。
投資ではないので、自分で勉強してマーケットやお客さまのニーズを追いかけていかないといけません。
それができない人は、それができる人にお任せするという手法もありますが、やはりこの事業はだれの事業なのかっていうと、脱サラして会社を買った人の事業なのです
勉強して領域をマーケットに結びつけていく考えを持っていないと、創業にしろM&Aにしろ、なかなか成功しないと思いますし、銀行もお金を貸してくれないだろうと思っています。

この本を読んで、そんなに簡単じゃないっていう声がけっこうありますが、創業と比べてみれば意外と簡単なんです。創業支援をする時には、対象企業の領域がマーケットとどのくらい重なっているかわかりません。
しかし実際に運営し、財務諸表を見れば、重なった部分がどのくらいの大きさなのか、だいたいわかってきます。そして事業の再構築にどのくらいのお金が必要かも見えてきます。

わかりやすく言えば、家を新築するのが創業で、リフォームがM&Aといった形になります
安く買えればリフォームするものですが、お金の算段ができるので、リフォームにいくら費用がかかるのかも見えます。稼いだお金でその資金をたとえば3年後、4年後くらいには調達できそうだ、というところまでも見えてきます。そうなれば、その稼いだお金を元手に、またさらに銀行からお金を借りて、マーケットでの占有率をより上げていくことで、大きな儲けにつながっていきます。

この実例は弊社にもあります。興味のあるお客さまは、ぜひ一度、弊社へお声がけください。一人一人のニーズに合わせて一緒になって考えていきたいと思います。

次回は、さらに事例を挙げてM&Aに対してそんなに難しく考えなくても大丈夫なんだということを、より広めていきたいと思っています。よろしくお願いします。

 
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