「M&A基礎」会社を売る選択肢を選ぶ前に①

 
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今回はM&Aの年商が3億円未満の会社の社長さんが会社を売る選択をしていく中でどんなところに落とし穴があるか、自分の会社はどのように売ったらいいのかのアプローチをお話しさせてもらいます。

Contents

リテールM&Aの背景

まず売りと買いのニーズ比を説明します。

リテールのM&Aはネットを通じて売りと買いが案内し合う業態が本格的してきたのはここ5年くらいです。

もともとM&Aと言うものは国内でニーズ比が売1に対して買が7倍いると言われています。

私が銀行員時代からニーズの大きさは変わっていなくてやはり売が1あるだけで買いたい人は7倍にもなりますので普通に売れますよと言われていました。

けれども中堅企業やその上の会社、だいたい年商3億円ぐらいから下のところでマーケットが全然違うと現場の人間からすると思います。

どこが違うのかと言いますと、「買いたいニーズはあるけれど3つの理由で成立しにくい

①個人の買手が多い

実際に私もバトンズさんやトランビさんの専門家をさせてもらっていますが買手の人はだいたいどこかに勤務している人が結構多いです。

最近「創業するくらいだったら買いなさい」と言う本もいくつか出ていますが

お客さんがいるとか仕入があるなどゼロから作り上げるよりも買った方がいいです。

②買手の資金力が少ない

個人の方が多いと言うことは資金力が少ないということになります。

銀行員時代に会社さんを相手に会社を売ったことはありますがそれが個人になると各段に資金力は乏しくなります。

融資を調達してくるのはもちろんですが会社を買うための融資制度については何度もお話ししているように銀行は株を買うのに融資する概念がありませんので中々資金の都合をつけて成立させることは難しいと思います。

じゃあ法人に売ってしまえばいいのでは?と思われますが③つ目に

③対法人だとシナジーが考えにくい

こちらが考えられます。

法人相手に売ろうとすると年商3億円ぐらいの会社が相手のお客さんから自分の商材を売っていこうと言うシナジーが生まれてくることが考えにくいです。

たとえシナジーがあったとしてもものすごく小さいので企業価値はなかなか算定しにくいと思います。

考え方を変える必要がある

こちらは売手と買手どちらにも通用していくものだと思います。

会社を承継する場合、経営承継と財産承継があります。

M&Aは企業買収で、会社が会社を買うことです。

実際リテールで言うとだいたい年商3億円ぐらいのお客さんは事業承継(跡継ぎ探し)を考えた方がいいと思います。

自分の息子さんが後を継ぐ気がない。もしくはどこかにお勤めになられているなど様々な理由があると思います。

それを含めて考えたときに身内に引き継ぐのがいいのか、第三者にやる気があって退職金もそこそこあり、成立しそうな人に引き継ぐのがいいのかこの2つの考えが必要になってきます。

なのでM&A(企業買収)よりも事業承継(跡継ぎ探し)を狙うと早く売れます。

引継ぎで探した時にこの社長さんに事業を売りたいとなれば売手と買手が一緒に銀行に行ってこの株を承継するための資金を考えてくださいという話の方が実際に売れやすいと思います。

ですが、ここから考え方が変わります。

黒字資産超過の企業の場合と赤字繰欠債務超過の企業との場合でアプローチの仕方が変わる

黒字資産超過の企業→後継者不在の場合、廃業するプランと相対的に考える

廃業したいと考えたときが例えば60歳だったとします。

けれども実際に廃業するとなった時が5年経って65歳だと自分の給与が手取りでいくらぐらいもらえてその中から会社に残っている現金を分けたとして株主の人たちにどんな人たちがいるのかも全部ひっくるめて考えて行きながら廃業するまでにいくらお金が入ってくる。

それと比べて会社を売るとしたら廃業するところと考えてトータルでいくらお金がもらえるからここよりも多く欲しいといった算定をしていく必要もあると思います。

会社って思ったより売れないといったリテールの分野であります。

それをどのように考えて行かないといけないのか、トータルで考えないといけません。

赤字繰欠債務超過の企業→改善・再生から考える

今の借入がいくらあってそれをどのように解決していくのかが大事です。

けれども赤字になっている時点で今のビジネスモデルに問題があるわけで、今まで自分が精魂込めてつぎ込んで仕事をして上手くいかなかったものをサラリーマンだった人、全く業種の違う経験のない人に引き継いでも上手くいくわけがないです。

リスケジュールすると大体80%くらいの企業が清算されると言われております。

リスクを知った時にどのように事業構造を見直して銀行と話をして高収益体質に切り替えていくのかの指導も行っています。

さいごに

ここからアプローチが変わる為個別にお話しします。

今回は入口のところを説明させてもらいました。

次回は黒字企業の対応の仕方と赤字繰欠債務超過の会社の社長さんの立ち回り方と事業をスムーズに承継するためにはどうしたらいいのかをお話しさせてもらいます。

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