電通 増収減益 広告主離れで本業の稼ぐ力低下 労働問題も重なり経費増加 事業構造の転換は必須!

 
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みなさんこんにちは。喜創産業山本将司です。

今回は株式会社電通についてお話しします。

今年は構造不況に陥る会社がたくさん増えると言われております。

電通はまさに構造不況の中の会社に上げられています。

今回は電通の決算書を踏まえた上で構造不況に陥っているかどうかを数字で表し、今後どのようになっていくかを私なりに予測してみました。

Contents

1・電通の決算について

営業利益が激減して構造上に問題のある会社は必要ないと言われる方もいると思いますが実際そうでもないんです。

電通は12月決算です。

2018年、2019年の第3四半期決算短信で利益の推移を見ますと2019年のほうが増えています。

2018年9月30日時点の売上総利益は6638億1百万円で2019年9月30日の売上総利益は6742億5百万円です。

周りの人がどう言おうともこの会社自身は頑張っていると私は思います。

ではどこが増えてどのようにして会社の営業利益が激減したのかと言いますと、販管費及び一般管理費が増えている。

2018年9月30日時点で6081億30百万円ほど販管費及び一般管理費を計上していました。

2019年9月30日は6318億90百万円と300億円ほど増えています。

それに応じて営業利益が減りました。

2018年9月の営業利益が579億93百万円で2019年9月の営業利益は370億50百万円どまりでした。

売上を頑張って伸ばしていますが販管費及び一般管理費が増えてしまい営業利益が激減したことになります。

どこに問題点があるかを見極めるのに決算書2期分の比較だけだと難しいので銀行員は決算書3期分で比較しています。

2017年12月の売上総利益は8776億22百万円でした。(2019年は6742億5百万円)

6742億5百万円÷9×12=8989億40百万円になります。

季節性要因がないと考えた場合に決算を見比べると着地見込みがこのまま推察すると2017年で頑張っているということになります。

ただ、電通はすごく特筆すべきところがあり、販管費及び一般管理費の伸びです。

2017年12月31日までの1年を通じて終わった時点の販管費及び一般管理費が7519億57百万円です。

2019年9月時点で6318億90百万円でだいたい販管費及び一般管理費というのは給料等のことなので季節要因を考えなくてもいいと思います。

電通の販管費及び一般管理費の着地見込みが8425億20百万円ほど大きくなってくると思いますので増収減益というように着地見込みすると思います。

計算式)6318億90百万円÷9×12=8425億20百万円

昨今の労働問題(社員の自殺など)でどんどん給料が上がるとか、企画会社に発注するにも難しい状況の人不足でなかなか受けられないから価格が上がるなど電通が持つコンテンツの競争力が低下して価格競争をしていかないといけないことによって粗利がどんどん削られていきます。

そのためどんどん企画を考えていかないとテレビで炸裂しないのでコンテンツでなるべく人を引き寄せないといけないところに経費がかかっていると考えられます。

これらを踏まえた上で電通が構造不況に陥っていることが分かります。

電通が今どれくらいの債務を抱えているかですが、固定資産が2019年9月で1兆8480億64百万円、自己資本が1兆787億70百万円ありました。

固定資産-自己資本=長期固定債務(7692億94百万円)

会社が持っている長期固定債務は7692億94百万円になります。

では、実際に稼ぐ力がどのくらいあるかが問題になります。

第3クオーターが終わった時点の四半期の利益が92億円でした。

1年で計算すると、

92億65百万÷9×12=123億53百万円になります。

減価償却はこの時点では分からないです。

去年のキャッシュフロー計算書から減価償却を割り出すと600億円ほどありました。

今年の減価償却費を600億円と仮定すると692億円あったということになります。

実質長期債務(7692億94百万円)を692億円で割ると、11.12年になります。

計算式)7692億94百万円(実質長期債務)÷692億=11.12年

正常先の基準は15年になりますのでこちらの会社の長期固定負債は大きいと思いました。

理由として、イニシャルコストなのかなと思います。

イニシャルコストとは、新しく事業を始めるまでに必要となる費用(初期費用)

広告代理店は信用力を持っていないといけないところがあります。

そのため都内の一等地にビルを持っていたりすることが多いから長期固定債務が出てくると思います。

長期債務があるから良い悪いわけではなくてここの部分を株式から集めると100億円のビルを買うから銀行に貸してくださいとなると長期固定債務になります。

投資家からお金を集めてビルを買うようにすると自己資本にみられますので長期債務が大きいか小さいかは上場企業では関係ないと思います。

私の感想としては、この会社は広告業・サービス業にしては結構大きいと思いました。

2.今後どうなるのか

情報を流すだけでは商売は成り立たないです。

私もM&A仲介をさせて頂いておりますが、昔は情報を伝播させること自体が難しく、

限られた情報を集めて流すことに価値がありました。

しかし、ネットが普及してくることによって誰でも情報が見れるようになりました。

情報の価格がどんどん下がってきています。

電通に関しても情報の価格が下がっていることが言えますのでテレビの広告に載せる、もしくは広告代理することに対していくらほしいと言えなくなってきました。

よほどの企画やコンテンツを入れ込んでいかないとテレビで集客することが難しくなってきたと、この決算書を見て思います。

販管費及び一般管理費が上がっているからです。

みんながテレビを見て、広告を出すだけで儲かっていたわけではなくて、その企業をブランディングしてテレビCMに出して面白いなとかこの商品すごいなと思われるものに集客させていかないと難しいです。

3・電通というビジネスが要らなくなるのか?

電通が行っている広告代理業がいらなくなるのかというと私はそうは思わないです。

いろいろな会社の世界観を作ることは電通にしか出来ない商売の1つだと思います。

例えば、兵庫県にパティシエ エスコヤマというお店があり、そこでパティシエ教室を開いて珍しいものをお土産として買ってもらうようにしているそうです。

似た業態で言うと、広島県三原市の八天堂カフェリエ。

こちらも同じような業態で教室でお客さんを集めて、ここでしか買えないものを買ってもらえるようなコンテンツを作り込んだり、世界観を作り込むことが出来るのは電通しか出来ない仕事だと思います。

今後はブランディングをより磨いていく方向に向かっていく。

テレビを媒体とする手法がずれているだけの話なので、ブランディングしてほしい、自社の商品をより売り込んでいってほしいというお困りごとは無くなっていかないので業態転換すると電通も生き残っていくのではないかと思います。

弊社もオウンドメディア戦略をしております。

YouTubeのような自分で発信してお客さんを集める手法を行っておりますし、お客さんを指導してブランディングしていくこともしておりますのでお困りごとがある方は是非、弊社の方へご相談して頂ければと思います。

 

 
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