【M&A基礎】銀行融資の成功率をアップさせる方法③-具体的な実例-
今回のケースは政策公庫の引き継ぎ支援資金制度に該当し、その実行を受けて決済した案件です。
買い手はアパート経営をしているサラリーマン大家で合名会社です。年商は約1000万円ですが、利益はほぼゼロでした。一方の売り手は、年商3000万円、利益500万円のネット通販業ですが、双方に事情がありました。
買い手のアパート経営者は有名企業のサラリーマンなので、事業拡張はしたくても自らとことん突っ込んでいくリスクは避けたいと思っていました。その代わりに借り入れ依存は低いので資金付けは可能でした。個人の借り入れはありましたが、会社は不動産管理業なので借り入れは起こしていませんでした。では売り手のネット通販業がどう考えていたかと言うと、売り上げはけっこう伸びてきており、資金さえあれば売り上げをさらに伸ばせるアイデアを持っているので、資金付けのできる相手と組みたいというものでした。
買い手には担保があって、売り手には担保がない。お話したことがありますが、売り手は収益力が高く、買い手は収益力が低いので、売り手にないところを補完するために融資をするという考え方です。この場合は、悪い話でもないし「仕方がない」ということでM&Aができました。M&Aの考え方のひとつに、企業提携というものがあります。基本的に異なる2社が、異なるところを認め合い、どのようなゴールを目指すのかを意思統一できれば、うまくいくんですね。お互いの足りないところを補完し合うからで、これをマッチングと言って、M&Aだけではなく企業誘致の際にも使われています。都会の会社を田舎に引っ張ってくる、外国に日本企業を引っ張るなど、そういうときに知らない地でどういう人を相手にするのか、ないところをどう使って、あるものをどう当て込むかといったマッチングが私の仕事でもあります。
私の銀行員時代の経験ですが、国内でひとつの商品だけで年商15億円くらい稼いでいる会社がありましたが、そういう商品はミートされやすいために、新しい商品を開発するには大変なパワーを必要とするので、同じ商品を海外で売りたいというケースでした。この場合、新しい売り場が必要となります。どういうところへ売りたいのか、マーケットはどこになるのかを考えて、相手を当て込んでいくんです。M&Aというのは、単純な会社の売り買いではなく、自分にないところをどう補えばいいのかという視点で捉え、考えていくのが一般的と言われています。
今回は弊社の実例を挙げましたが、実際に銀行員がどういう審査をしているのかを次回でお話したいと思います。
まとめ
「ないもの」を取りに行くのがM&A(銀行融資の成功率をアップさせる方法①より)
例)資産はあるが収益力が低い不動産業が、資産はないが収益力が高いネット通販業を買う
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