破産した社長が通る道
みなさんこんにちは喜創産業山本将司です。
今回は倒産した社長が通る道・銀行が選ぶ道
今だから話せるここだけの話についてお話します。
最近本を書くことが決まりまして企画書を作っているのですが作業量が多くて大変です。
今までのコトを思い出しながら作っており、そこで気付いたのが、「なぜ倒産したのか」と言う話はよくあると思うのですが、倒産した後の社長がその後どのような道をたどるのかとか、倒産する際に銀行の中でどのような話をしているのかといったような話は聞いたことが無いんじゃないかと思ったんですね。
そこで今回は、倒産する際に社長は銀行とどんなコトを話すのか。
また自分の体験談を踏まえながらどのように銀行は考えるのかなど、ここだけの話をしていきたいと思います。
銀行が判断する取引先の破綻を本気で考えるタイミング
結論から言いますと2つのパターンがあります。
1つ目が銀行が取引先から決算書をお預かりした際に3期連続赤字で、ヒアリングを行ってもコレといった経営努力をしていないと判断したとき。
2つ目が年末から2月にかけての時期に判断することが多いです。
昔、池井戸潤の原作で斎藤工が演じていた「アキラとあきら」というドラマでも話していたのですが、この会社は経営改善できないんだろうなと判断した時に、稟議書と格付資料を見ながら保全と資金繰りの大体の判断をして、銀行に損失があまり出ないと判断した時は本当に回収に行くケースが多いです。
もっというと条件変更を3年以上していて、定期的に面談している場合で、この会社は利益を伸ばすのが難しいなと判断した時に廃業を覚悟させることが多いです。
あと、なんで年末から2月にかけてかと言うと、銀行の決算が絡むからです。
これは銀行によって違うんですが、銀行はお客さんに対して融資をしたときには年間2回の整理整頓をしています。
1つ目は企業格付。これは決算書を出してもらった時に整理整頓するのですが主に今の借金がちゃんと返せるのかどうか。社長個人の借入状況がどうなのかあと今期のトピックス的なことをヒアリングしながら整理して本部に報告してるんですね。
粉飾とかそういった話で例えば仮払勘定とか、現金勘定が以上に多かったりするとこの時点でお客さんにヒアリングしているケースが多いですね。
もう1つは自己査定です。
これは銀行の決算が3月にくるのでそこで利益の中からいくら引当しないと行けないかを判断するために整理整頓します。
ココで本部に提出した時にこの会社の資金繰りが今度ショートした時はあきらめようとか、仮に今倒産した時にそんなにロスが出ないのであれば今後支援はしない方針で行こうとかそういった話をしているんですね。
ココだけ話を聞いていると酷いことをしているなという感じに思えるんですが実際にはかなり真剣に話していることが多いです。
貸している側も相当しんどくて、実際に自分が経験した話を次の話でするのですが、、、
銀行も取引先に対してここまで真剣になるという実際に山本が経験した話
私がまだ27歳位の話だったんですけど、ある中堅ゼネコンが倒産寸前だったんですね。
毎月の資金繰り表を見ながら上司とお客さんと資金ショートしないような調整をやっていたんですけど、年明け早々、自己査定の準備をしていると上司が「例の会社なんだけど、資金繰りを精査していたら3月10日くらいに1億円ショートする」と言った話をしてきたんですね。
その会社は年商15億円くらいの会社で自分の銀行が貸している金額は6億円くらい、そのうち保全していないものが半分の3億円くらいだったんですが当時は要管理先ということで貸金総額の20%の1億2000万円くらいの貸倒引当金を計上していたと思います。
その時に社内で協議をしていたのが支援を打ち切って潰すかどうかの協議というよりも、融資できるかどうかの協議でした。
しかしながら、ここで1億円融資したとしてもさらに2ヶ月後に資金がショートすることがわかったんですね。
当時この会社の保証人は社長と専務の2人で、どうするかの話し合いをその会社で行いました。
上司は絶対に倒産するから今準備するのか、ギリギリまで頑張るのかと言ったことを迫ったところ、社長は諦めていましたが、専務は「ギリギリまで頑張りたい」という話で、上司とかなり揉めていたのを覚えております。
今独立してこういった事業再生の仕事を本業としていて分かったのですが、早めに潰す判断をしたほうが準備が出来るし、資産も残すことができるかもしれないので、早めの判断をしたほうがいいんです。
しかし専務は「頑張っている従業員や協力してくれる取引先のためにも1日でも長く頑張っていきたい」ということで上司もそれに協力しました。
それから毎晩かなり遅くまで仕事をして結構しんどかったのを覚えています。
具体的には、支払いを伸ばしてくれそうなところをリストアップしたり、受注工事の案件の段階のものをもらってきて早めに前金でもらって、資金化できないかなどの検討を行いながら連日お客さんとすり合わせをしていたのですが、「時は平成の大不況、失われた20年の真っ只中」で、付け焼き刃にしかならなかったのを覚えています。当然、そんな資金繰りで生き残れるわけないので予想通り3月下旬に手形の不渡りを2回連発することになって倒産することになったんですね。
倒産する当日、その取引先の社長と専務が来ると言うことで、まず私が真っ先に思ったことが「ウチが貸さなかったから倒産した」と言われるのかなと思っていましたが、社長と専務が上司と私に対してお世話になりましたと深々と頭を下げたのを見て目頭が熱くなりました。
でも本当にすごかったのがココからで、上司に呼ばれて「専務の家を取られんように守っていこう。どうしたらいいのか考えていこう」という事でみんなで知恵を出し切った結果、専務の娘婿に住宅ローンを融資して専務から家を買うことにして決着させることにしました。
本部からは「保証債務履行資金みたいなものじゃないか。こんなの認められるか!」と怒られたのですが、競売に出すよりも現実的に回収できることと、専務の娘婿の収入がそれなりにあったので返済可能であったことを理由に押し通しました。
今考えると破産した後の住宅の譲渡案件だったので何かと難しい案件だったのですが、よく通せたなーと思っております。
結局この専務はどうなったかと言うと、娘夫婦と一緒に暮らしながら、世間に迷惑をかけたから世の中の役に立つことをしたいということで民生委員を長くやっていたのを覚えております。
あと、社長は兄弟の経営している会社で勤務してました。
この案件で学んだこととしては2つあり、銀行員も経営者も人なのでお互い出来ることと出来ないことがあって誠実に話し合えばちゃんと結果を残せると言うことと、破産した後のこと、破産した後の経営者の生き方をしっかり相談に乗ることが必要だと言うことを学びました。
今でも私がお客様の決算を見る中で「ここで決断しないとまずい」と判断したときには大体4時間位かけて社長と話していることが多いです。
社員のこと、家族のこと経営者はいろんなストレスと戦っているのでそこの相談にのることが大事なんじゃなかなと思っているのはこの案件から学んでいるからです。
ちなみにこのときの上司は今現在、信用金庫の理事長をやっております。
今でも話すことも多いし学ぶことが多いです。
今考えると、トップになるべくしてなった人なんじゃないかなと思っております。
まとめ
それでは今回のまとめになるんですが2つあります。
1つ目が貸している側も定期的に貸出先の与信状況を整理しているので、決算内容が悪い時だからこそ、銀行に積極的に情報発信していったほうがいいということ。
2つ目が経営者としてと言うよりも、まず、自分の人生としてどうあるべきかを考えて対処すればきっといい結果が出てくると思います。
最近、M&Aで早いうちに会社を売って次に行きたいと言う経営者の方も増えてきたのもこのあたりが理由なのかなと思っております。
債務を整理したり、経営を改善する手法も当時と比べて発達してきてるので、積極的な情報発信さえしていれば、銀行も協力的に対処してくれると思います。
あの時に戻れるのなら、こうしてあげれたらなぁと思うことも多いです。
あと積極的な情報を発信するには今の資金繰りをしっかり精査して例えば半年後にどういった資金がいるのかとか、どのように返済するのかそういった具体的な自分の会社を整理整頓していくことが必要なんだと思います。
それを定期的に報告すると銀行側も2月に決算を整理する時に助かるのでいい関係が築きやすいと思います。
いちばん大事なのは一人で悩むと決められないことが多いです。
一人で悩んで疲れて、まぁいいかと思ってまた資金繰りが悪化して、最終的に倒産まで行ってしまうと何も出来ないことが多くて、破産するときもだれも協力してくれないことも多いです。
そうかと言ってもやはり、誰にでも相談できる話ではないので、もしお悩みされている方がいらっしゃればお気軽にご相談いただければと思っております。
それでは最後まで見て頂いてありがとうございました。
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