資金調達の本質は「課題解決」:銀行だけに頼らない経営戦略
はじめに
資金調達において「いくら借りられるか」ばかりを考えてしまう経営者は少なくありません。しかし、本質は「何を解決するために資金が必要なのか」です。本記事では、不動産リースバックから新規事業の資金計画、銀行以外の資金調達まで、多角的に解説します。
1. リースバックの活用と注意点
不動産リースバックは、手元資金を確保する手段として有効ですが、資金調達後に本当に問題が解決できるかが重要です。毎月のリース料や買い戻し条件だけでなく、リース後のキャッシュフロー設計を見据えて判断すべきです。他社との比較で相場感を持ち、納得できる条件を選ぶことが基本です。
2. 銀行融資と「課題の明確化」
「いくら借りられるか」ではなく、「何のために借りるのか」を明確にすることが、銀行融資における最初のステップです。銀行担当者は課題に向き合う経営者を重視します。赤字企業が新規事業のために融資を申し込む場合、本業がシュリンクしているなど明確な根拠があれば支援を得られる可能性はあります。
3. キャッシュフローの「3表」+α
資金調達を考える上で重要なのが、以下の3つのキャッシュフローの把握です
・営業キャッシュフロー:本業からどれだけ現金を生むか
・投資キャッシュフロー:設備投資や資産売却などの動き
・財務キャッシュフロー:借入れ・返済など資金調達の流れ これに加えて、銀行以外の資金調達の動きも「第4のキャッシュフロー」として整理することで、戦略が明確になります。
4. 借りるためには「返す計画」が必要
返済計画がなければ、借りること自体が難しくなります。調達と返済の双方を意識した資金計画を作成することで、金融機関の信頼を得られ、結果的に資金調達が円滑になります。借入のピークを計画的にコントロールすることがカギです。
5. 銀行以外の資金調達の活用
クラウドファンディング、売掛債権の流動化、リースファイナンスなど、多様な手段が存在します。特に成長フェーズの企業では、銀行以外の手段でまず500万円→1000万円→2000万円と段階的に調達力をつけることで、持続可能な財務体制が整います。
6. 本業で稼ぐ力が最優先
資金調達の最終的な基盤は「営業キャッシュフローの黒字化」です。本業での収益力がなければ、いかなる調達も持続できません。「金利の安さ」ではなく「いかに稼げるか」を起点に考えるべきです。
おわりに
「資金調達=課題解決」という視点を持つことで、銀行にも投資家にも信頼される経営者になれます。現金が入れば良いという発想から脱却し、「なぜ必要か」「どう返すか」「どう稼ぐか」を3本柱に据えた資金戦略がこれからの経営の鍵です。
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