美顔ローラーのMTG 中国人転売ヤー激減で大赤字 いつまでもつのか資金繰り 決算解説 シックスパッド

 
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皆さんこんにちは喜創産業山本将司です。

今回は株式会社MTGについて説明します。

MTGはシックスパッドや美顔ローラーのRefaなどの商品を扱っている会社です。

今回はたくさん頂いているリクエストの中から赤字企業の決算を見ることで赤字の本質について解説します。

Contents

①決算の解説内容として破綻の危機にあるのかどうか

MTGは9月決算で1年の決算は終わったばかりですが決算報告が遅れるというニュースもありました。

本当に大丈夫なのかな?と思われますが、この会社が抱えている負債は今のところないです。

MTGの固定資産は約113億円、その固定資産に対して自己資本は約317億円です。

現時点で実質長期債務がない会社になりますので正常先か要注意先かというと一応正常先に分類されます。

ではこの会社が危ないかどうかの水準をどこで見るかです。

みなさんは倒産の言葉の概念はどういうところにあるかご存知ですか?

倒産は支払いができなくなったことを表します。(赤字・黒字は関係ない)

銀行員は費用(経費)、販売費及び一般管理費の3ヶ月分の現預金が必要だとよく言います。

MTGの販売費及び一般管理費の総額が304億65百万円です。

こちらがが1年の経費になります。

では最低限いくらの預金が必要になるかといいますと304億65百万円÷12×3=76億16百万円

今年の9月時点でMTGの現預金は138億86百万円ありますので危ないか危ないかでいうと現時点では大丈夫そうです。

しかし、去年と今年の現預金の大きな減り幅があります。

2018年の決算時の現預金が300億55百万円なので半分以上減っています。

キャッシュフロー計算書内の営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合計したものをフリーキャッシュフローと言います。

去年と今年の本業で現金が増減したものを総数で見ていくとMTGは去年の時点でフリーキャッシュフローが減っています。

営業活動によるキャッシュフローは(2018年)-12億19百万円。

去年、固定資産を買っているみたいです。

投資活動によるキャッシュフローは(2018年)-55億12百万円。

12億19百万円+55億12百万円=67億31百万円

約70億円くらい現預金が減っています。

去年の時点で増資をしているみたいで株式の発行による収入が327億15百万円あります。

株主さんから資本を集めて新しいことを始めるために今後もテコを入れて売上を立てていきますと話をしていましたが去年から今年にかけて大きく目論見が変わりました。

②企業の赤字とは?

MTGの赤字の内容が根本的に治るかどうか

赤字には2種類あります。

(1)構造上の問題がある赤字

(2)投資による(前向き)赤字

決算短信を見るとMTGは構造上に問題がある赤字です。

顧客セグメントと言って、グローバル事業やリテールマーケティング事業などを展開していますがグローバル事業が失速しています。

グローバル事業の主な事業内容

海外グループ会社ECサイトおよび海外インターネット通信販売事業者の運営するECサイトを通じた一般消費者の直接販売および海外のインターネット通信販売事業者、海外の販売代理事業者、海外の美容専門店および海外の百貨店事業者への卸売販売

分かりやすく言いますと、転売ヤーへの販売です。

日本の転売ヤーは海外のものを日本に仕入れて、(Amazon・ヤフーなど)販売します。

こちらと同じようなことが中国で起きています。

中国新EC法(中国電子商取引法)の施行による韓国、香港のインバウンド需要が大きく減少したことにより、香港における継続したデモ活動、日韓関係の悪化に伴う韓国国内の日本製品不買運動の影響及び中国への販売事業の減速で大幅に減少しました。

例えばシックスパッドが中国で競争力が弱まったとなればこの商品の弱みを上手く見つけて

改良することが出来たりしますが法律が変わっているので販売が難しいです。

転売ヤーがこれから難しくなってくる問題点として、アメリカでは州税や関税がの問題があります。

MTGはグローバルマーケティング事業で今まで売上を稼いできましたが、失速しています。

構造的な仕組みを変えていかないと難しいと思います。

投資をかけて売上が3倍、4倍にするための中で、産みの苦しみとして出てくる出血の赤字はわかります。

しかしこの会社の場合はある程度仕組みが出来上がっていて撤退戦を行っている中での赤字です。

結構厳しいと正直思います。

③今後の事業展開

決算短信に継続企業の前提に関する重要事象等が書いてあります。

売上が著しく減少

重要な営業損失、経常損失、当期純損失、マイナス営業キャッシュフローを計上したことから現時点において継続企業の前提において重大な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

当社のグループの現金および預金の残高にて当面の運転資金は賄える状況であることから重要な資金繰りの懸念はありません。

と書いてあります。

一般企業にも言えますが赤字企業は要注意先です。

要注意先でも事業の継続性に懸念があるものは破綻懸念になります。

この会社が破綻懸念がありますとなると銀行は一気に回収に取り掛かります。

大きく赤字が出ていますが事業の継続性には問題はありません。

資金繰りに影響がないからです、と決算説明では述べられています。

今期に関しては問題ないと思います。

しかし来期は大変だと思います。

2019年9月の年間売上高が360億46百万円

2020年の予想売上高が380億円となっています。

正直あまり差がないです。

販売費及び一般管理費でMTGは300億円ほど支出しています。

2019年売上総利益は163億67百万円です。

このまま販売費が推移していくと1年間で資金が枯渇してくると思います。

今後、海外の事業は一旦手仕舞いすることが1番いい方法だと思います。

さいごに

 

いつもYouTubeをご覧いただきありがとうございます。

弊社は本日、12月27日で仕事納めとなります。

今年1年お世話になりました!

来年も引き続きよろしくお願い致します(*^^*)

 
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