ヤマダ電機が大塚家具を子会社化 赤字体質脱却できるのか 前途多難な船出 中国ファンドとの関係は? M&A仲介アドバイザーがニュース解説 気になる今後の行方
皆さんこんにちは喜創産業山本将司です。
先日大塚家具さんの解説をした直後にヤマダ電機が大塚家具を子会社化するというニュースが出ました。
今回はこの一連の流れと、現役M&A仲介業者の目線で今後の課題とメリットについて3つにわけてお話しします。
①大塚家具は本当に潰れないのか
大塚家具は今後、経営の安定が図れるのかどうかですが、結論から言いますと安定は出来ますが根本的な解決には至りません。
ヤマダ電機と大塚家具の事業の規模の差を見て頂けたらと思いますが、今回はヤマダ電機の決算短信を元に解説させてもらいます。
ヤマダ電機は3月決算です。
半年が過ぎた時点で売上が8400億円計上しています。
大塚家具は第3クォータ経過時点で売上が210億円程度です。
この2つを比較してみると、単純計算で210,03÷843,553=0.025(2.5%)になります。
ということはヤマダ電機は事業規模の50倍差がある会社を買っていることになりますので
ヤマダ電機からするとそこまで影響力がないと思います。
大塚家具の今の赤字体質は変わっていないのでこのまま放っておくと年間に40億円が流出していくことになります。
このバケツの穴を塞がないといけません。
②大塚家具・ヤマダ電機のそれぞれのメリットとデメリット
今回ヤマダ電機が買収することによって大塚家具のメリット・デメリット、ヤマダ電機のメリット・デメリットについて考えてみました。
まず、大塚家具の最大のメリットは経営の安定化です。
ヤマダ電機の9月末現在の現預金残高は578億円あります。
そもため大塚家具を支援することに関してはそこまで影響力がないと思います。
ではデメリットはどうかと言いますと、大きな問題として、既存顧客の客離れがでてくるのではいかと思います。
大塚家具のビジネスモデルは大塚家具がモノを作っていません。
大塚家具は製造業ではなく、小売業です。
お客さんから考えると大塚家具が作った家具を買うのではなく、大塚家具で家具を買うことに価値を見出しています。
そのためヤマダ電機の傘下に入ることによってブランドのイメージが低下していくと思います。
なおかつヤマダ電機は大塚家具と同じようにハイブランドを持っているわけでもないです。
M&Aとしてはないところを取っていくことがメリットになりますが、大塚家具からすると今までの手法でいくことは今後難しいのではないかと思われます。
ヤマダ電機のメリット・デメリット
メリット
(1)ヤマダ電機のメリットとは?
考えた結果、ハイブランド商品を取り扱うことができることですかね。
しかし、商材の領域が違いますのでどう埋め合わせしていくかを考えないといけないと思います。
(2)中間コストの削減
会社がグループ化したときにわたしたちも色々な提案をさせて頂きますが、中間コストの削減をどうするかの問題がでてくると思います。
今回の中間コストは主に人件費に当たります。
大塚家具の従業員の平均年齢は39.8歳くらいで平均所得が442万4千円になります。
一方ヤマダ電機の従業員平均年齢は38歳で平均所得が443万5千円になります。
給与水準はあまり変化がないと思います。
ということは、大塚家具の従業員1200人の中から出向でグループ企業へ勤務させて0から育てるよりも技術を持っている方は中にはいると思いますので(インテリアコーディネーターなど)グループでうまく共有をしていくというメリットが生まれると思います。
デメリット
(1)今の段階だとバケツに穴が空いている状態なので年間に40億円のキャシュが出ていくこと。
(2)0から立ち上げてモノを売っていかないといけない状態になっている。
以前、ローソンと成城石井のM&Aの動画内で大塚家具とニトリの競争について話しをしています。
高いものよりボリュームゾーン(一般のお客さん)の中でどんどん売り込んでいこうと思うとかなりの広告宣伝費がかかります。
ヤマダ電機はここをよく考えていて、今回の出資金の中の内訳で13億円が広告宣伝費に充当します。
13億円で本当に足りるかが大事で、ニトリやIKEAもそれなりの広告宣伝費を使っています。13億円の広告宣伝費で足りるかどうかが非常に悩ましい問題になります。
③今後の展望と解決すべき課題
こちらは企業再生の現場で会社を買ったり、自分の会社を売ったりするときの参考になると思います。
大塚家具が潰れたあとにヤマダ電機が買収したほうが早いと思います。
ですが色々な理由でヤマダ電機が支援をしていることになるんですが、潰れたあと会社は安くなるので買いたい人は増えます。
そのため先に手を打っておきたいとヤマダ電機は思ったのかなと考えております。
倒産したくないという会社の支援をする立ち位置のことをプライベート・エクイティ(PE)と言います。
この会社は1つやらなければならないことがあります。
それは経営責任の明確化と責任のとり方です。
わたしもよくPEによく案件を持っていきます。
潰れるという会社の事業の儲かるところだけを抽出して、この会社を他の企業の社長さんに買ってくださいPEになってくださいとお話ししたときに、今の経営者で儲かっていないんだから経営者を変えないとダメだねと言われることが結構あります。
今回は大塚家具の久美子社長はどのようにして責任を取るのかが非常に大事になってきます。
集めたお金を溶かして既に流出させていることは事実です。
このことに対して責任をとらないと社員もついてこないと思いますし、出資先に対してもちゃんとした理由の説明がつかないですので今後も注目していきたいと思います。
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